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草原のコミミズク@流山

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先週、あしだちの総会に出席した折、参加した会員の方から、「たくさんのコミミズクが昼間から飛び回っている。でも、飛んでいるときは早くて、カメラでは追いかけるのが大変です。」という、とても嬉しい情報をいただきました。
我が家からはそんなに遠い距離でもありませんから、この週末を待ちわびて、早速出かけて見ることにしました。
早朝に我が家を出発して、この日は近くの公園で午前中に他の野鳥を撮影して、午後からコミミズクを撮影しに行けば一石二鳥だと、計画をめぐらせてみました。捕らぬ狸の何とやらではありませんが、今回はそんな目論みが当たり、期待に違わぬ結果が出てくれました。
午前中は、近くの公園で前回紹介したトラツグミのほか、アカハラ、シロハラ、ウソ、カケスなど、たくさんの野鳥を撮影できましたから、目尻を下げながら、余裕でお弁当を平らげ、喜び勇んでコミミズクのポイントへ向かいました。
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車を運転しながら現地に近づくと、農道にバードウォッチャーやカメラマンが2~30名くらい、列を作って待ち構えているのが見えました。驚いたことにそんな環境の中を、枯れた草原の上を飛び回っていたコミミズクが、すぐ目の前を横切っていきました。
これは噂に違わぬ絶好の撮影ポイントです。慌てて車を道路脇に止めて観察者の列に加わりましたが、三脚を据えて当たりを探すまでもなく、地面に降りていた個体をすぐに撮影することができました。
私自身、コミミズクを観察する機会が少ないのですが、胸から腹にかけての縦斑の出方から、これは♀の個体になるようです。
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それにしても、ここにいた個体は昼間からよく飛び回ってくれました。
しかし、かなりのスピードで飛び回りますから、ファインダーに入れるのが一苦労です。おまけに、オートフォーカスでうまく合焦できるような対象ではありませんから、久々にマニュアルフォーカスで追いかけたので、極めて歩留まりの悪い結果となってしまいました。
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フクロウの仲間のコミミズクは、草原でネズミ類を捕食する猛禽類ですが、顔の前面に両眼がありますから、体型的には頭部を切り落としたワシタカ類によく似ていると思います。
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獲物となるネズミ類を探す鋭い眼光を投げながら、草原の上を滑るように飛翔しています。あまり羽ばたくこともなく、ソアリングする姿は、音もなく獲物に近付いて、確実に狩を成功させるため、長い時間を掛けて身に付けた、フクロウ類ならではの特技になると思います。
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コミミズクは、雌雄ほぼ同色ですが、個体差が多く、顔面が白い個体からこのようにかなり褐色味のある個体まで様々です。また、耳のように見える羽角は大きいものから小さいものまで個体差が多く、その間隔もさまざまであるようです。
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ほぼ真横から撮影したものですが、白い縁取りの顔盤はよく分かりますが、くちばしがどこにあるのか殆ど分かりません。黄色い虹彩だけが目立ちます。
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飛翔する姿を見ると、全長38cmとされる体の大きさに比べて、頭部が随分大きいように思えます。これがフクロウの仲間の特徴になります。
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翼の上面は、茶褐色の羽で覆われていますが、初列風切の基部に白い羽が独特の模様を作っていることが分かります。また、翼の後縁にも白い縁取りが認められます。
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図鑑によれば、♂の成鳥は下雨覆が白く、♀の個体は黒褐色の斑があるとされていますから、この個体は♀になるのでしょうか?
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飛翔していた個体同士が、突然バトルを始めました。左下の個体は、逆さになってキック攻撃を仕掛けましたが、上の個体は寸でのところでこれを避けることができたようです。
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小群で越冬生活を送るコミミズクは、このように仲間同士で争うことが度々あるようです。この後この個体たちは、何事もなかったようにそれぞれの方向に飛び去って行きました。
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さて、こちらは夕方日も傾いてきたので、そろそろ帰ろうかと思って移動を始めた時に、すぐ近くに降りていた個体です。下腹部の縦斑に注目してください。上で紹介した♀と思われる個体に比べて、褐色の縦斑がとても細いことが分かりますから、この個体は成鳥♂になると思われます。
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この♂の個体が、グルッと首を後ろにひねりました。フクロウの仲間は、このように首を自由に回すことができるようで、右にも左にも180度以上は捻じることができるようです。
by coffeeto | 2013-02-13 20:38 | フクロウ目
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