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春先のカモメたち@銚子

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4月7日(日)は、日本海側を低気圧が発達しながら通過することから、全国的に風が強い荒れた天候になるという天気予報でした。....ということは、銚子漁港へ行けば強風に吹き飛ばされてきた珍鳥が観察できるのではないかと、期待を膨らませて足を運んできました。でも、結果的には珍鳥を観察することはできず、この季節ならではの鳥達ばかりでした。その中から、今回はカモメ類を集めてみました。
まずこれは、ワシカモメの第1回冬羽です。全体的に灰色味のある淡褐色であるところが特徴ですが、この個体はくちばしの基部に僅かにピンク色の部分があることから、オオセグロカモメの第1回夏羽に当たる可能性も考えました。しかし、頭部の大きさに比較してくちばしがガッシリして大きいことと、脚がかなり黒色がかったピンク色であるところからワシカモメであると判定しました。
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岸壁の上に伏せているこの個体はウミネコであることはすぐに分かりますが、成鳥に比べるとちょっと様子が違います。まず、背面はかなり濃い灰色ですが、濃褐色の羽が混じっています。また、くちばしの基部が成鳥であれば鮮やかな黄色になって、先端に赤色と黒色の斑が出るのですが、基部はくすんだ薄黄緑色であるところから第3回冬羽であると判定しました。この羽衣の状態で、後頭部に褐色の斑がなく、頭部が真っ白であれば第3回夏羽になります。
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さて、こちらの個体はセグロカモメであることは分かりますが、成鳥とは羽衣が異なります。背面は成鳥と同じ灰色ですが、雨覆いに注目すると褐色の羽に交じって、僅かに灰色の羽が出てきています。くちばしの基部はピンク色で、先端が黒色になっていることから、第3回冬羽の個体であると思われます。
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湊に隣接する砂地に舞い降りて休んでいるカモ目の群れの中に、この白っぽいカモメを見つけました。くちばしの先端が黒色で基部のピンク色との境が明瞭に分かれていることから、シロカモメであることが分かります。この個体は、背面の肩羽にも褐色斑が残っていることから、第1回冬羽であることが分かります。
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こちらは、ウミネコの若い個体ですが、背面に濃い灰色の羽がありません。褐色の細い羽軸がある灰褐色の羽で覆われていることから、幼羽から第1回冬羽に移行した後の状態です。
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これがウミネコであることはすぐに分かります。背面が濃い灰色の羽で覆われて、褐色味がありません。また、頭部は完全に白色の羽に変わっていますから、夏羽に換羽した成鳥であることが分かります。
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こちらは、セグロカモメの成鳥ですが、頭部に褐色斑が認められませんから、この個体も夏羽に換羽した成鳥であるといえます。
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海面に浮かんでいたこのカモメは、全体的にかなり淡色になっていますが、風切羽に褐色味がかなり認められることと、くちばしの基部にピンク色部分があることから、オオセグロカモメの第1回冬羽から第1回夏羽に移行途中の個体であると思われます。
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岸壁の縁石の上にいたワシカモメの第1回冬羽の個体が羽を広げてくれました。シロカモメやワシカモメの第1回冬羽では、このように初列風切の裏面が白いところが特徴です。ここに注目すれば、飛んだ時にも下からある程度識別することができます。
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これは、セグロカモメ第1回冬羽の個体です。上のワシカモメと比較するために出したのですが、初列風切の裏面が黒褐色であることが分かります。ここに注目すれば、飛翔した時に明瞭な違いとなって識別に役立ちます。
by coffeeto | 2013-04-15 22:30 | チドリ目
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