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飛翔するウミネコ

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ウミネコの成鳥です。後頭部に褐色の斑が出ていますから冬羽であることが分かります。くちばしは、先端から赤斑、黒斑、赤斑(下くちばしのみ)と続き、基部は黄色です。この個体は、上くちばしの黄色部分にもうっすらと赤色味が出ているのが分かります。
翼下面にウミネコの特徴がよく出ています。下雨覆はと三列風切(体に近い風切羽)は白色をしていますが、初列風切と次列風切の数枚は黒色味が出ています。これは、セグロカモメには見られない特徴で、ユリカモメでは下雨覆にも黒色味がありますから、飛翔しているカモメ類を下から見たときには容易に識別できます。
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翼上面の黒色味は、オオセグロカモメほどではありませんがセグロカモメよりも明らかに濃い色合いをしています。この個体は、くちばしが灰緑色をしていて赤斑が認められないことから、第3回冬羽になります。
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これも成鳥冬羽の個体です。尾羽に黒色のバンドが認められますが、幼羽や若鳥を除き、日本近海を飛翔するカモメ類の中で、成鳥で尾羽に黒帯が出るのはウミネコだけです。
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この個体は、後頸部に褐色斑がほとんど認められないことと、目の周りにある赤いアイリングが良く目立つことから、この時期に既に夏羽に換羽しつつあることが分かります。
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ウミネコは全長47cmで、翼開長は120cmの中型カモメです。日本近海で繁殖していますから、1年を通じて観察することができます。ただし、関東地方周辺で夏期に観察できるのは、ほとんどが若い個体ばかりです。
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たまたま3個体が同時に飛翔してくれましたが、一番手前と一番奥の個体は夏羽に換羽しつつある個体で、一番左の個体が冬羽です。ウミネコの換羽はセグロカモメに比べると早く始まり、1月には夏羽の個体がたくさん観察されます。
by coffeeto | 2011-01-21 21:34 | チドリ目
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